街を歩いていたら、コ洒落た美容室があった。
表の窓ガラスには、外人のモノクロポスターが3枚ほど。
そのポスターに描かれた外人の髪型のかっこいいことかっこいいこと。
気になってガラスの奥を覗くと、
うすらハゲのオジさんが、
うすらハゲのオジさんをバリカンでカットしている。
ポスターとは非なる図。
現実とはそんなもんだ。
さて、今日は、次のフラット(住む場所)が7日からのため、
一泊12ポンド(1500円ぐらい)のドミトリーに泊まることにした。
こんな経験もしたいのである。
ドミトリーに到着すると、韓国人のバイトであろう男のコが、
「2段ベッドの上がお前の」だの「皿を使ったら洗え」だの
テキトーなカンジで教えてくれた。
しかし、そんなドミトリーライフで出逢った、1人のオジさん、もとい、1人の青年キムさん(韓国人)が
なかなかユニークなキャラだったので、ブログに書いてみる。
まず、キムさんの下の名前を忘れたので、
雰囲気から察し、愛情を込めて、
心のなかで勉三さんと名付けることにした。
『キテレツ大百科』に登場してきた、あの勉三さんとクリソツなので。
とはいえこの勉三さんは、受験勉強ではなく、
ギターに夢中。そして、今日、アンプを買ったらしい。
勉三「ロンドンブリッジに演奏をしに行くんだけど、付いてこないか?」
おもしそう。
行くと即答した。
勉三とギターとアンプを担ぎ、ロンドンブリッジまで30分かけて歩いた。
到着。
勉三は1mほどの塀に座り、ギターを奏で始めた。
すると、どうだろう。
勉三というヴィジュアルからは想像できないほどの、
ロマンティックな音色が彼の指先から放たれる。
背景のロンドンブリッジとあいまって、
少し涙が出そうになるほど、よいではないか。

いくつかのコインもギターケースに放り込まれる。
現実は、これだから面白い。
ロンドンブリッジから歩いてきて、遠くから聴こえてくる
勉三の音色はどんなんだろうと、少し離れてみることにした。
アレ。
音色が、聴こえてこない。
勝手にロンドンブリッジで演奏した
勉三が、
警備員に
おもいっきり
怒られている……。
現実は、やっぱり厳しいね。
ギターケースに入った
約5ポンド(うち1ポンドはオレのチップ)を握りしめ、
寂しく家路についたのであった。