
June 14, 2009
初代と2代タイガーマスクとして
今年リング上で初邂逅した
佐山サトルが
「またプロレスの結晶が消えてしまった」
とコメントをした。
プロレスの結晶という言い方は
たしかに
今のプロレス界を見渡すと
三沢と、あとは武藤くらいにしか当てはまらない。
きちんと相手に付き合い
相手の技をまともに受けきり、
攻め疲れた相手に
狙いすましたエルボー(えぐい)をかまし
そこからゆっくりと息を整えると
悠然と
そして鬼神のように
タイガースープレックスや
エメラルドフロウジョンなどの
怒濤の最強フィニッシュホールドを
苦虫を噛み潰したような顔で
非情に繰り出していく。
勝ってもニコリともせず。
いまのアホレスラーのように
天を仰いで雄叫びをあげだり
(あれは誰に叫んでるんだろう?)
技の前におおげさな見栄を切ったり
なんてことは間違ってもせず、
リングインからフィニッシュまで
リング上のすべての動きが
もの言わぬ殺意をたたえて
静かに行われる。
それはなんて言ったらいいんだろう。
ほんとうに
震え上がって
チビるほど
カッコよかった。
そしてなんて言うんだろう。
ものすごく
切なくて
色っぽかった。
80年頃までのプロレスが
ムダに華々しいスターオーラの裏に
隠していた
相手を殺しかねない男の殺気と色気を
いまは
三沢だけが結晶として持っていた。
だから
三沢のいないこれからのプロレスを
見続けていくということは
ちょっと考えられないほど至難だよ。
でも
ノアの地上波打ち切りが決まり
プロレス専門誌が続々と消え
ファンの若年層への切り替えがうまく進まない今
団体の社長と
メインレスラーを兼ねる三沢が
どんなコンディションで
毎日リングに立っていたかを想像すると
プロレスなんてもういいよ
なんて
どのツラさげたって
言えやしない。
三沢のような
完璧なレスラーを同時代で観れた
僕たちは
本当に幸せだった。
だから
ようやく
今からでも恩返ししなきゃいけないと思う。
ZERO-ONE 三沢光晴・力皇猛vs小川直也・
http://www.youtube.com/watch?v=t92tcNjdstU


小林司(コバヤシ・ツカサ)
出版社勤務。東京の下町に生まれる。
2006年、NY帰りの天才フォトグラファーTommy氏と出会い、「妄撮(モーサツ)」と名付けシリーズをスタート。以後、「妄撮」を日々地道にプロデュース。ごく稀にユニットTommy&Kobbyを名乗る。
妄撮.com スタート!http://www.mosatsu.com/
Tommyさんがphoto&英語コメントでナイスなブログ始めてます!
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chapter1(¥350)に続き、続々バージョンアップ&発売予定。
1/20発売「週刊現代」にて新連載「おとなの妄撮」スタート!
そのほか面白プロジェクト続々待機中。
妄撮に関する新規問い合わせ、エール、アドバイスなどはこちらまで。
ts-kobayashi@kodansha.co.jp

