TRANSIT GENERAL OFFICE INC.

  • TRANSITの公式Instagramアカウントへ
  • Contact
  • Twitter
  • facebook

新美術世界 / MAHO KUBOTA

「そこにいなければ絶対わからない感覚ってのがある」、

。。。今年はヴェニスビエンナーレのヴェルニサージュを見逃しそう。
1999年以来、2年毎に「目撃」してきたことを考えるとすごく残念。
そこにいなければその空気はわからない。。。ということがヴィジュアルアートに限らず、いろいろな場面できっと繰り広げられているのだと思う。。(いや、パフォーミングアートの場合きっともっと切実かもしれない。)

で、
行ってきました。
瀬戸内国際芸術祭オープン前夜の犬島家プロジェクト。
キュレーターは長谷川祐子さん、建築は妹島和世。国際的に注目される強力タッグのもと、6名の若手アーティストが新作を発表。

凄い、の一言、これぞ「体験」しなければ実感としてわからないのですが、
ちょっとだけご紹介すると、

まずは名和晃平のインスタレーション。
ss_RIMG4272.jpg

ss_RIMG4276.jpg

瀬戸内の新しいフォトスポットになりそう!

浅井裕介の作品。
忽然と現れる不思議な「土着感」が新しくもあり、過去との接続にもなっているところが面白い。
いろんな意味で考えさせられる作品。

ss_RIMG4282.jpg

ジュン・グウェン・ハツシバの新しい映像作品。
期待を裏切りません、躍動感のある、美しい映像、強い。犬島の採石場で撮影したそう。

ss_RIMG4299.jpg

前田征起は一見、島の風景とは異質なインスタレーションを展開しながら、
立ち止まり、考えることの意義を問うているようなコンセプチュアルな作品です。
島猫がはいりこんで意味ありげにたたずんでいたりして。

ss_RIMG4303.jpg

個人的に、その誕生に立ち会えてとても嬉しかった作品が
荒神はるかの作品2点。
コンタクトレンズの作品の中に島のランドスケープが複眼的に宿っている。

ss_RIMG4292.jpg

そして、もうひとつの作品「リフレクトゥ」。

ss_RIMG4298.jpg

ss_写真.jpg

彼女はここ最近の建築とアートのひとつの傾向=「現象」を作品化しているのアーティストのひとりとして次世代を担う存在になっています。

美しい犬島の風景を後にして、

ss_RIMG4308.jpg

喧噪の東京に戻って

今晩は東雲に新しく登場したアートスペース、TOLOT/heuristic SHINONOME.のオープニングに行ってきました。
これは東京のアートシーンの中で久々の「事件」。
是非目撃してほしい、真剣なスペースです。
施主でありコンセプトメーカーは末松亜斗夢さん、建築設計はヘルツォーク&ド・ムーロンから独立されたばかりの石田健太郎さん。
注目の若手ギャラリー2つもここに場所を変え、新たにスタートします。

http://yukatsuruno.com
http://g3gallery.jp


オープニングでは東京のアートシーンを代表する顔ぶれや、久々にお会いできて嬉しい方々に遭遇しました。
こんなふうにそれぞれに同時代感をシェアできる場所っていいですね。
Jose Parlaの作品の前でアートムーブメントを牽引する国際的なビッグネーム・ギャラリストの皆さまもしばしくつろいだ様子。
明日からはアートフェアウィークがスタートします!

ss_RIMG4314.jpg


瀬戸内国際芸術祭2013が今週20日よりいよいよ開幕します。

広島市現代美術館の「路上と観察をめぐる表現史ー考現学以後」展を見るために少々早めに広島入りし、その後岡山経由でまだ見ていなかった豊島美術館を訪問しようと高速船に乗ったものの、あいにくの雨模様。
でも誰かが「豊島美術館は雨の時もまた別の良さがある」って言っていたっけ。

家浦港に着いて、バスの発車するまでの待ち時間のうちに駆け足で建設中の「豊島横尾館」を覗きにいきます。
ここは横尾忠則さんの作品を展示する館。建築は永山祐子さん。
開館は今年の夏、7月ですが、期待が高まります。

ss_yokoo_2.jpg

家浦からバスに乗って豊島美術館をめざす。
バスの運転手の方は道すがらアート作品のある場所や撮影スポットに停まって説明してくれます。
美術館がよく見えるこの丘でも停まってくれました。

ss_teshimamuseum.jpg

この場所、3年前の夏に来た時はまだ建築現場で、晴れていたので向かいの棚田がすごく美しく見渡せました。天国のような場所だなあと思った記憶があります。

ss_tanada.jpg

美術館の入り口で元SCAIのスタッフだった齋藤さんのファミリーとまったく偶然バッタリと遭遇!
齋藤さん、昨年12月までSCAIでバリバリ仕事してたんです。
心機一転、福武財団にてステップアップを目指そうとここ豊島に移り住んだことは知っていたけど
まさかこんなにすぐにバッタリ会うとは。
お互いものすごくビックリしました。

↓ 齋藤ファミリーを代表して長男の太鍬(たすき)君に登場してもらいましょう

ss_tasuki.jpg

嬉しいサプライズのあと、雨の美術館を訪問。
内藤礼さんの作品、建築は西沢立衛さん。
ようやく訪れることができました。
撮影禁止だし、実際に見るのが一番なので写真はありませんが
自分の心の音を聴くような、そんな空間です。

この日も雨でしたが沢山の若い人たちが訪れていました。
アートをまだ勉強しはじめたばかりの人たちがここを見るとどう感じるのかな。

私もまだアートの勉強をする前に、主に10代の頃ですが、ずっと忘れられないアートとの出会いがいくつかありました。MOMAで出会ったリキテンシュタインの「溺れる女」。原美術館で観た宮島達男の「時の海」。
名古屋のICAで観たボルタンスキーの個展。
これらが複雑に絡み合って今につながっていることを考えると感慨深いです。

アートを体験することが人生を変えてしまうこともある、
ということはきっと真実だと感じました。

それぞれ時間も場所も異なって個別に発生した物事がいつしかつながってひとつの流れ(ムーブメント)をつくってゆく。
豊島美術館、雨も良かったけれど、次回は是非晴れのときに観てみたいと思います。

あ、帰り、港へ降りる道を雨の中急ぎ足で歩いていたら声かけて車に乗せてくださった大阪のカップルの方々、その節は本当にありがとうございました!

新国立競技場

November 22, 2012

新国立競技場の建築コンペ、都心の巨大プロジェクトとはいえ一般にはあんまり話題にもならなかったけれど先般「ひっそりと」結果が発表されてました。

で、ファーストプライズを獲得したのは
ザハ・ハディッドのオフィス!

ザハといえば最近だとロンドンオリンピックの水泳競技場の未来的なデザインが話題になってましたね。

で、新国立競技場のデザインはこんな感じだとか ↓

thumb_500_zaha-gaikan.jpg

zaha.jpg


そもそも私はザハ建築の信奉者ではないのでまずは「???」なのだが、都心の真ん中にこんな建築物が忽然と現れたらいったいどうなんだろう。と思う。
なにしろ国立競技場は我が家から目と鼻の先なので、うーん、まったくこの景観がこの辺に馴染むか全然リアリティがないというのが第一印象。

現在の国立競技場 from  My window.  ↓

national.jpg

60年代の遺産ともいうべきあっけらかんとしたこの建築、丹下建築の傑作である同時期の代々木体育館に比べいまひとつ個性もなければ善し悪しもなかったのだが個人的にはこの匿名性というか個性のなさと緩さがかなり好きなのです。
レースを見に行ったり、自分でレースにでてここのトラックを走ったりもしてるので最近は特に愛着があるのかな。
少なくとも競技者にとっては気持ちのいいスタジアムだと思う。
(トラックが8レーンとか、現代のスペックにはついていってないのは事実だけど)

zennihon.jpg

 願わくばザハ・スタジアムもこの「昭和的な」緩さとオープンな雰囲気をある程度引き継いでほしい、と思うもの、やっぱり無理かなー。うーん、しかし21世紀にあってモロ近未来ってどうなん?
といいつつ、心密かに楽しみにしているのも事実です。
完成は2019年!

オリンピック終わっちゃった・・・淋しいな。
今年はいつもよりかなり熱心に観戦したしチームジャパンも大健闘だったから本当に楽しい17日間でした。

特に印象的だったアスリート達。
水泳陣の快進撃やレスリングのメダルラッシュ、卓球、サッカーの大健闘もあったけれど、
やっぱりその試合を見て「ああ、いいもの見せてもらったなあ」と心から感動した選手達はこの4人。

jdo12073105210006-p4.jpg

まずは松本薫選手。
闘争心を絵に描いたような素晴らしい闘志。最近こういう殺気漂う本気感全快のアスリート、なかなか見ないよね。
金メダル獲得の瞬間にはテレビの前で拍手!
「最後の最後まで闘いぬこうと自分に言い聞かせていた」って、その真剣さははかりしれないと思う。
ちなみにこういうお顔立ち、欧米でとてもモテるタイプです。

続いて

20120806.jpg

100mの山縣亮太選手。まさに伸び盛り、慶應の学生さんです。
予選で10'07''出した時は思わず興奮しました。
もちろん世界のトップはまだまだ遠いけれど、でも今日本の短距離界で一番可能性を感じる選手です。

で、最終日の朝5時半に起きて決勝の試合を観戦したのが

murata1.jpg

もうひとりのリョウタ、
ボクシングミドル級の村田諒太選手。
金メダルおめでとう。
日本人でミドル級で世界のトップ。なんてすごいんだろう。
この人はその偉業だけでなく見た目も相当かっこいいけど、そもそも人間として格好良すぎる人のような気がします。
決勝戦の粘りも良かったけれど、準々決勝と準決勝の試合はもっと興奮した。

そして最終日の晩、「良くやった!」って思わず叫んだのが

PN2012081201002543.-.-.CI0003.jpg

マラソンの中本健太郎選手。
世界の競合を相手に堂々の6位入賞。
今更言ってもどうかな、だけど個人的には藤原新選手より中本選手を最初から応援してました。
世界選手権や二度のびわ湖毎日マラソンの走り、いつも目立たないけれど最後まで確実にペースをまもって落ちてくる選手をひろって順位をあげていく粘りの走りが今回も好成績につながりました。
スピードがなくても最後まで粘れるしなやかな体と実直で強靭な精神はマラソンのような競技では強力な武器なるんだな。あらためて実感。
後半、集団を引っ張った時のひきしまった顔つきにはこれまでのレースにない迫力の闘志を感じました。

最終日の最後まで手に汗握る楽しいオリンピックでした!

unofficial anthem

August 03, 2012

ロンドンオリンピックの開会式で唯一「はっとした」のがイングランドの所謂「非公式の国歌」である「イェルサレム」の合唱の場面。

この「イェルサレム」という聖歌はいままで何度か耳にしつつ聞き流していたけれど、この際気になってちょっと調べてみると作詞はイギリスを代表するトリッキーな18世紀詩人、ウィリアム・ブレイクということが判明。
ウィリアム・ブレイク、私の英文学上のヒーローなのに勉強足りてませんでした。
で、以下がその詩の原文。

And did those feet in ancient time,
Walk upon Englands mountains green:
And was the holy Lamb of God,
On Englands pleasant pastures seen!

And did the Countenance Divine,
Shine forth upon our clouded hills?
And was Jerusalem builded here,
Among these dark Satanic Mills?

Bring me my Bow of burning gold:
Bring me my Arrows of desire:
Bring me my Spear: O clouds unfold!
Bring me my Chariot of fire!

I will not cease from Mental Fight,
Nor shall my Sword sleep in my hand,

Till we have built Jerusalem,
In Englands green and pleasant Land.

なるほどね、「炎のランナー」の原題、「Chariot of fire 」もここから来てたのね。
さすが、ブレイク、天才詩人だと思う。声に出して読んでみるとあらためてはっきりするけれど、美しすぎる言葉の芸術だよね。
「I will not cease from Mental Fight」・・・うーん。
プロパガンダにも利用されるわけだけど。でも気高いってこういうことだよね。

unofficial anthem といわれるだけあって、この聖歌はイングランドという国の美しい部分を何よりも如実に体現していると思う、。

しかし、イェルサレムをサンプリングした(というかもうもろアレンジ?)名曲といえばMark Stewart and the Mafia のイェルサレム。
稀少な1985年のアムステルダムでのライブを見つけました。今聴いても相当かっこいいと思う。



Profile

久保田真帆(クボタ・マホ)

谷中の現代美術ギャラリーSCAI THE BATHHOUSE のディレクター。
宮島達男、ジュリアン・オピー、名和晃平など担当アーティストのマネージメントのほか、
パブリックアートプロジェクトや展覧会企画、国内外のアートフェアでのアートディーリングなど幅広くコンテンポラリーアートに関わる毎日。


http://www.scaithebathhouse.com/

Calendar

« 2013年3月 »
SunMonTueWedThuFriSat
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

Monthly