オープニングは4/1だったのでちょっと時間が経ってしまいましたが、
ニューヨーク在住のSCAIアーティストの齋木克裕さんと、齋木さんの20年来の友人でもあるアーティストの木村太陽さんの二人展のオープニングに行ってきました。
オーナーの牧さんは昨年このギャラリーをオープンされました。20代でギャラリーオーナーってすごいなあ。若手第三世代っていうのかな。頑張ってます。
齋木さんと木村さんの息のあったコラボレーションが楽しい展示の様子。
特に面白かったのは映像作品、
ふたつのスクリーンで映像が微妙に噛み合って進行していく様子につい見入ってしまう。
展覧会は4/23まで。オススメです。
震災後の支援企画がアートの分野でもいくつか立ち上がっているけれど、今日はそのひとつ、
Japan Art Donation が主催する チャリティ展、Art For Tomorrow に行ってみた。
展示された作品はすべてアーティストやギャラリーから無償で提供されたもので、
会期中に販売となればその売り上げは義援金として被災地でのアートを通じた支援に充当されるとのこと。
作品展示とともに青山悟さん、秋吉風人さん、榎本耕一さんらアーティストによって公開制作も行われていました。
気になった作品があったので1点購入しました。
素敵です。
部屋の壁に飾ったら映えそう。
春のスカート1枚買うほどのお金で心を込めて描いただろう作品がコレクションでき、さらに震災チャリティに微力ながらも参加できる。なんだかちょっぴり嬉しい。
このチャリティ展の会期はあさって14日まで、まだ面白くてリーズナブルな値段の作品がいろいろ残ってるのでぜひチェックをオススメしたい。
http://www.tokyo-ws.org/archive/2011/04/art-for-tomorrow.shtml
先月ニューヨークに行った際、時間があったのでMOMAに立ち寄ったら「抽象表現主義(
Abstract Expressionism)」の大規模な展覧会をやっていた。
抽象表現主義の絵ってかなり好きだ。
ってより、絵を見る面白さ、メソッドを最初に教えてくれたのは抽象表現主義かもしれない。
だいたいにして作品は馬鹿でかい。でもこのヒューマンスケールを超えた大きなフォーマットにこそ抽象表現主義絵画の秘密が隠れている。
スターアーティストは当然ポロックにロスコ、スティルといったところだろう。
こうして展覧会で作品と向き合ってみても圧倒されるし、王道だと思う。
一方抽象表現主義の始祖とされているゴーキーの絵も別の意味で心に迫ってきて、ああ本当にいい絵だな、と思うものが何点かあった。
でも個人的に一番好きな画家はなんといってもロバート・マザウェルだ。
抽象表現主義の中では知名度ではスターアーティストにはおとるけれど、この人の絵は独特で、前時代をひきずったポエティックなところがありとても好きだ。
ハーバードで哲学のphDをとっているあたり、他のペインターと少々違う立ち位置にいたのかもしれない。アメリカ絵画の巨人、サイ・トゥンブリーはマザウェルに師事したらしいが、そういわれてみるとトゥンブリーの作品にはやはりマザウェル的な意識の流れが見え隠れするような気がする。
マザウェルの作品では「Little Spanish Prison」という小品も好きだけれど、やはりなんといっても「スペイン共和国への挽歌」(Elegy to the Spanish Repulic)のシリーズに圧倒される。
マッシヴな絵だ。この絵は印刷物でみてもまったく理解できないので、ここに図版を引用しないけれど(写真はマザウェルのもっと初期の小品)、ものすごく大胆に黒を使った、本当にマッシヴな絵なのである。
その絵は心を圧倒する、というか私の場合、この絵と向き合うと最初に「息苦しく」なる。
小さい時に見た悪夢のひとつ、意識の中でピンクと黒が対比されて次第に黒がピンクを圧倒する、というかなり哲学的な悪夢だったのだが、それが思い出されて、ちょっと気持ち悪くなる。
でも我慢して絵に向き合ってると、有る瞬間、ふっと気持ちが軽くなって、それから不思議な安堵感が現れる。
心に結びつけられた重りの重さはかわらないけれど、でもその宿命的な重さを受け止めて、それから新たな世界の中で呼吸できそうな気がしてくるのだ。
アートは甚大な悲劇の前には無力、とも言われているけれど、
今回MOMAでこの作品と向き合ってみると、ふと腑に落ちる瞬間があった。
人は誰も個人的な心のよりどころとして心の中に「自分の絵」をいくつか所有していると救われる瞬間がある。
地震後翌週の、3/16にプレビューがあったニューヨークのJapan Society Galleryでの展覧会、
「BYE BYE KITTY」(curation: David Elliott ) には
SCAIの関連アーティストとしては名和晃平、塩保朋子、荒神はるかの3名が参加しています。
塩保朋子の作品、タイトルは[VORTEX]。
約 2.7 x 4 メートルのYUPOという紙にカッターで施したカッティングの作品がライティングの効果もあり場を圧倒します。
名和晃平の鹿の新作は建物の扉を通らず、角をセパレートで作るなど搬入に苦労しましたが無事展示完了。
ちなみにここからの写真はすべて今回自腹渡米で記録写真を撮ってくれた子羊同好会大西武さんによるもの。
↓
荒神はるかの新作も光ってました。
(奥の宙空にほわん、と浮いた赤い作品です。)
↓
インタビューに答える塩保さん。
実はニューヨークは初めて。ちょっと緊張してるかな?
オープニング後の3次会。
龍馬伝で後藤象二郎を演じた俳優の青木宗高さんも駆けつけてくれました。
左から青木さん、名和晃平、塩保朋子。
ところでニューヨークJapan Societyでは震災後すぐに問い合わせのあった複数の寄付希望者に対し、即日募金の受付体制を敷き、広報しました。
これによって現在2.1millionドルが集まっているとのこと。
http://www.japansociety.org/earthquake
また、Bye Bye Kitty展の入場料の50%も日本への支援募金に加えられるということです。
今回ニューヨークに着いたその日の晩に出席したのが
AICA USA AWARDの授賞式。
AICA というのはInternational Association of Art Critic、つまり国際的な美術評論家の組織で、今回はその全米支部が選んだ2009年6月から1年間の間に全米で開催された数えきれないほどの美術展覧会の中から優れたものを選んで賞を与えるという主旨です。
SCAI のアーティストでアメリカで活動する
安部典子さんが今回、コマーシャルギャラリーのセクションで最優秀展覧会の次点をこの度めでたく受賞したというので受賞式に潜り込ませていただきました。
この晩受賞したのは他に蔡国境、アブラモヴィッチなど錚々たる顔ぶれ。
マリーナ・アブラモヴィッチはニューヨーク近代美術館の個展が受賞。
そして我らが安部さんも少々緊張気味ながら立派なスピーチ↓
授賞式の後のディナー。
アーティストのキム・スージャの顔も見えますね。
普段参加することの多い、コレクターやギャラリスト中心のディナーと違って評論家やキュレーター中心のディナーってなんだか幾分柔らかい雰囲気。それぞれ多彩な分野の知識人なので会話も弾みます。
ちなみに安部典子さんの個展、"Time Lag - Linea - Actions Cutting Project " がついに明日よりSCAI でスタートします。
地震のショックをもろともしない、しなやかだけど強靭な力作が揃います。
詳細はまたここでご紹介しますが・・・こんな時だからこそぜひ展覧会を見に来てください!