何気なくテレビを眺めていたら・・・ん、なんか見たことあるような映画・・・
ヒッチコックの「鳥」。
そのままぼんやり眺めているつもりが、あまりのカメラワークの素晴らしさに結局最後まで見続けるはめに。
前に見たのはやはりテレビ(もちろん旧型ブラウン管ね、)で小学生の時だったかな。
そのときは「怖い」ストーリーに引っ張られて当然のことながらカメラワークや美術などまったく気にせず。
うーん、ヒッチコックやはり素晴らしい。緊張感のあるダイナミックな映像が流れるように、そしてまったく演出の音楽が流れないのも当時としては相当に実験的だったのでは?
主演女優のティッピ・へドレンが美しい。
絵に描いたような北欧系のプラチナブロンドのアメリカ女性、完璧な脚のライン。
コケティッシュな声も印象的だ。
その後大成しなかったのどういうわけか。
1963年制作・・・なるほど、この感じ・・・
ティッピ・へドレンの(悲劇の)アメリカンガールのイメージが、
リキテンシュタインの同年の名作、「溺れる女」と重なった。
この絵を11歳の時にニューヨーク近代美術館で見たその時の気持ちをまだ覚えてる。
絵の奥の左側にはダン・フレイヴィンのカラフルな蛍光灯の作品があって、
それは子供心にただ楽しいだけだったけれど、
このペインティングにはまったく違った印象・・・というか軽い違和感のようなものを感じたように思う。
後年村上龍の「ポップアートのある部屋」の前書きを読んだとき、ああ、まさにそのとおりだ、私も同じように感じた、と驚いたのが下記の表現。
「・・・確か小学校の5年か6年だったと思うが、初めてリキテンシュタインの絵を見た。ポップアートは、私の心を打つわけでも揺すぶるわけでもなく、また内部に染み入ってくるわけでもなかった。ただ表面に貼り付いたのである。スタンプのように貼り付いたのだ。」
この時のあの感覚・・・未だに私の中では言葉にできずにいるあの感覚を求めるうちに、
いつしか現代アートに興味を持つようになり・・・という最初のきっかけとなった
私にとってはとても大切な作品がこの「溺れる女」。
ヒッチコックから始まってここに辿り着くとはね。
ちなみにヒッチコックといえばベルギーのアーティスト、Johan Grimonprezも忘れちゃいけない。何年か前にイタリアのギャラリーで観た映像作品、「Looking for Alfred」は美しかったな。
昨年ヨコハマ映像祭でも上映されたらしい彼の作品、Double Takeにもこんなシーンが。
アーティスト本人のお父さんもヒッチコックに激似らしいとのこと。
ところでこれ可愛くないですか?

マテル社恐るべし。欲しいかも?
